NSPベストセレクション 1973~1986

N.S.P( NSP ) NSPベストセレクション 1973~1986歌詞
1.シャツのほころび涙のかけら

作詞:天野滋
作曲:天野滋

ほおづえついたテーブルに
涙のかけらが残っているんじゃないか
おもわず息を吸ってみる
きみの匂いが残っているようで
嫌われたからぐちを云っているんじゃない
きみの涙が見たかっただけ
考えては一息にまたいっぱい
頭をかかえてまたいっぱいの酒

風が入ってくるのに窓を開けたまま
夜の空をねころんで見上げ
鼻の頭が凍りつきそう
両手でつつんで息を吹く
嫌われたからぐちを云っているんじゃない
きみの涙が見たかっただけ
へりくつ並べてきみをおこらせて
ほら そのふくれっつら見たかっただけ

シャツのほころび縫うのには
時間がかかりすぎて
何をやってもぐずなんだと
云ったあとで後悔する
嫌われたからぐちを云っているんじゃない
きみの涙が見たかっただけ
考えては一息にまたいっぱい
頭をかかえてまたいっぱいの酒


2.線香花火

作詞:天野滋
作曲:天野滋

はじっこつまむと 線香花火
ペタンと しゃがんで パチパチ燃やす
このごろの花火はすぐに落ちる
そうぼやいて きみは火をつける
浴衣なんか着たら 気分がでるのにね
湯上がりで うちわを片手だったらね
はじっこつまむと 線香花火
僕は燃えかす拾う係りでも

風を背にうけ 線香花火
僕はきみの機嫌が 気になるけれど
こうしてる二人は 絵になるわ
そうつぶやき きみは火をつける
きみの目の中で光っているんだ
こっちの方が本物よりすてきさ

風を背にうけ 線香花火
僕たちの恋も きれいに燃やそうよ
パチパチ光る 線香花火
来年も二人でできるといいのにね


3.八月の空へ翔べ

作詞:天野滋
作曲:平賀和人

草原の白い柵に
少女の君が寄り掛かってた
新鮮な風を集めて
深く吸い込む思い出遠く
八月の空はどこまでも
続いた青い空
自然を愛する気持ちさえ
忘れていたようだ
僕は今 あの時の
君に口づけた 一人の少年

膨らんだ夢はいつか
少女の君を大人に変えた
どうしても行くと言うなら
せめてたまには電話をよこせ
八月の空はいつまでも
二人の別れ道
都会が冷たくいじめたら
帰って来るがいい
僕は今 あの時の
君の泣き顔 思い出してる


4.白い椅子の陰

作詞:天野滋
作曲:天野滋

ガラス窓の向こうには
ラッシュアワーでバスが行く
あのバスから降りてくる
君の姿が見えてくる
緑の扉に銀のフチ 坂道の途中のこの茶店
初めていっしょに来た時に
なぜか淋しそうだった
君がすわった 白い椅子に
僕の知らない 思い出があるなんて
今 初めて知ったけど
そんな思い出を 隠していたなんて
僕の冗談に笑えない
あの時の君が嫌だった

僕の話しもうわの空
いつもおしゃべりな君らしくない
君の心に誰かさんが
いつも住んでいたのでしょう
今まで君との 出来事が
とても色あせてしまうじゃないか
今 初めて知ったけど
そんな思い出を 隠していたなんて
話すこともなくなって
けんかすることも今はない


5.夕暮れ時はさびしそう


6.碧き空は永遠に

作詞:天野滋
作曲:平賀和人

並んで腰掛けていた
静かなる老いた人よ
道を歩く人々の足元転がる
枯れ葉の囁きを聞き分けていた

誰かを愛する為に
生まれたと母に聞いた
遠い記憶たどるたび 僕たちはいつか
ぼんやりしている幸せ思う

短か過ぎる人生でも
君のために残しておいたから

遠い記憶たどるたび 僕たちはいつか
ぼんやりしている幸せを思う

短か過ぎる人生でも
守るだけのものがあったから

煙が空へと続く
これからの子供たちよ
かけがえのない自由な多くの時間を
大事に使って欲しいと思う


7.バブル -Jに捧ぐ-


8.FLY TO THE MOON

作詞:天野滋
作曲:天野滋

Fly to the moon
Fly to the moon

いくら遠くへ来ても僕も安心できないけど
急なカーブの前で恐いワなんてつぶやいてね

君のママはきっと心配してるし
僕の彼女少し疑ってる頃

Fly to the moon
Fly to the moon

君にはスカーレットのドレスがとっても悩ましいね
海が見たいワなんてちょっと危険な台詞を云う

君の彼もきっと怪しんでるし
僕の彼女たぶん感づいてる頃

Fly to the moon
Fly to the moon

君は空へ月へ飛び立つつもりかい
僕は君をきつく抱きしめたいだけ

Fly to the moon Fly to the moon
Fly to the moon Fly to the moon

君は彼にうまい言い訳するだろう
僕は僕でなれたアリバイ作り

Fly to the moon
Fly to the moon


9.北北東の風

作詞:天野滋
作曲:天野滋

北で生まれた僕が 寒さにふるえて
南で生まれた君が 汗かいていた
日本にはたくさんの人が 住んでるけど
こうして会ったのは 何かのえんでしょう

神社でさいせんの おこぼれひろった僕と
お祭りにだしのつなを ひっぱった君が
日本じゅうの 恋人たちのするように
僕の作った曲に 詩をつけて歌おう

かなわぬ夢ばかり 追いかけてばかりより
今のこのひとときを たいせつにしよう
今日の風 今日の風 北北東の風

僕のことが大好きだって うなずいた君も
いつかはおよめに行くよな 時が来て
日本じゅうの女の人と 同じように
どこかの誰かさんを 愛すのでしょう

遠くの方ばかり 過去のことばかりより
今のこのひとときを たいせつにしよう
今日の風 今日の風 北北東の風

かなわぬ夢ばかり 追いかけてばかりより
今のこのひとときを たいせつにしよう
今日の風 今日の風 北北東の風


10.愛のナイフ

作詞:天野滋
作曲:細坪基佳・天野滋

窓をたたく人の影に 飛び起きてドアを開いてみた
木枯しに髪も凍らせて 君が立っている
愛してるワ 信じてるワ
そんなはがゆい言葉でさえも
今夜は本当に聞こえて 僕を迷わせる

何が悲しいの 何が淋しいの
心心心を開く 愛のナイフが欲しい

涙ためて顔ゆがめて 君は死にたいなんて叫んだ
お酒もたくさん飲んで やけになってるのか
だまされてた 裏切られた
君は心を閉ざしてしまう
イヤな奴の悪口も 話して欲しいのに

何を気にするの 何をこわがるの
心心心を開く 愛のナイフが欲しい
愛のナイフが欲しい

君はまるでステキすぎて
テレビ映画のヒロインみたい
下手な嘘をたくさんついて 疲れ果てて眠る
今夜だけは離さないと そんな台詞を僕に云わせて
自分の事はすべてを 隠し通すばかり

何が悲しいの 何が淋しいの
心心心を開く 愛のナイフが欲しい
愛のナイフが欲しい


11.遠野物語

作詞:天野滋
作曲:天野滋

朝霧に包まれ 静かに眠る山々は
雪溶けを待ちわびて息をひそめる
美しい白馬が空を走り抜けるように
喜びも苦しみも通り過ぎゆく

私のすべてを
すべてを見て欲しい

忘れないで 幾度生まれ変わろうと
離さないで 強く抱きしめて
忘れないで 命かけた愛の日を
離さないで 永遠の約束を
忘れないで きっと

愛せば愛すだけ 誇りも自信もなくなる
不安が体じゅうをふるえさせるの

私のすべてを
すべてを見て欲しい

忘れないで 髪を切ったあの夜を
離さないで この手ちぎれても
忘れないで 炎燃やす激しさを
離さないで 永遠のやすらぎを
忘れないで きっと

忘れないで 幾度生まれ変わろうと
離さないで 強く抱きしめて
忘れないで 命かけた愛の日を
離さないで 永遠の約束を
忘れないで きっと


12.あの夜と同じように


13.はじまりは朝

作詞:天野滋
作曲:天野滋

歯ブラシは白く乾いて
あの人が訪ねて来ない

子供を叱りつけるママになったような
不思議な気持ちであの人を愛したけど
すべて分かっていると自惚れていただけで
何も知らなかったあの人の心の中

コップを回して
カラカラ音をたてる朝

長すぎた愛の年月
過ぎ去ればほんの瞬(まばたき)

手紙を出してみたりまちぶせしてみたり
いわなくていい事口をついて出てゆく
どうにもならないって辛い悔しい悲しい
拾った分だけ失うものがあるのね

今は静かな
幸せ願う私なの

あの人いつまでも不良少年みたいに
きっとどこかで女の子困らせてる
ようやく私にも新しい人ができ
あの人の歯ブラシ屑篭へ捨てられそう

鍵をかけたら
靴音響かせ出掛けるわ


14.青い涙の味がする

作詞:天野滋
作曲:天野滋

すすきが揺れる 遠いふるさとの町に
忘れ物を捜しに来たんだ
ホームに足を 降ろしただけでこうばしい
青い涙の味がする
仲間を呼んで騒いだ
酒など飲んで歌った
そしていまはみんなちりぢり
青春なんて言葉を
手のひらで握り潰してた
あの頃の僕たちさ

黙っていても 少しずつ年をとってく
体の中は思い出だらけ
久し振りに ふと合わせたアイツの顔が
可笑しいくらい老けていた
握手をしてもダメさ
頭を下げても無駄さ
心の距離を感じてしまう
青春なんて文字が
心の隅をつつく
傷口をまたつつく

慰めあった人も
別れを惜しんだ人も
今となってはみんなちりぢり
青春なんて言葉の
意味さえわからずに
あの頃は生きていた

青春なんて言葉を
手のひらで握り潰してた
あの頃の僕たちさ


15.歌は世につれ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

街頭では学生たちが
マイクをもって声を上げる
決まりきったように政治の季節
どこかの店先に流行りのメロディ

歌は世につれ僕はおもう
燃えつきそうな若さにしがみつこうと
いつでも いつでも

情熱を注ぐのは何でもいいし
どれもこれもが1つの青春で
僕もこうしてギターを持って
LOVE SONGを口ずさむ

歌は世につれ人は誰でも
過ぎていった昨日にすがりついてる
いつでも いつでも

死にたい時も何度かあった
自分が嫌になることだって
泣き顔だらけの僕のとなりに
君が笑ってすわっていて欲しい

歌は世につれ僕はおもう
足並をそろえすぎて流れてしまう
いつでも いつでも


16.如月の詩


17.未来

作詞:天野滋
作曲:天野滋

求め合えばコミュニケーション
信じたい人がいる
愛はめくるめく時間(とき)の中で
一つだけ無くしたくないもの
未来を強く生き抜くために
あなたのその微笑が欲しい

見つめ合えばカンバセーション
偶然に生まれた国で
もしも苦しみを分かり合えて
喜びをわかちあえたら
命が燃えつきてしまうまで
あなたを愛し続けていたい

何がそうさせて何が導くの
愛しても愛し足りない
未来を強く生き抜くために
あなたのその微笑が欲しい
命が燃えつきてしまうまで
あなたを愛し続けていたい


18.2愛のロジック~論理~


19.浮雲

作詞:天野滋
作曲:平賀和人

泣いた日よ 悔んだ日々よ それは幼くて
おまえにとってはちっぽけな ただのお話か
一途だった昔の恋は やけに懐かしく
俺にとっては重大な 胸に記す年輪
これっきりだ 俺が叫ぶ
あいつが 頷いた
また会おう 席を立って
握手で 別れたなんて
告げたならば 笑うだろうか うぶだ若かったと
自分自身もおかしくて 笑みを浮かべてしまう

いざこざもすれ違いも どれも現実か
俺の心にポッカリと 漂う浮雲だろう
やさしさだとか おもいやりだとか
わかったつもりでも
些細な事で 傷つけ合い
あいつと別れたなんて
告げたならば 笑うだろうか うぶだ若かったと
自分自身もおかしくて 笑みを浮かべてしまう


20.あなたこっちを振り向いて

作詞:天野滋
作曲:天野滋

僕が忘れた 車のKeyを
そっと隠して ポケットに
いじわるするんじゃ こまってしまう
機嫌を直して くださいね
あなたこっちを振り向いて
ちょっと八重歯をのぞかせて

ブラックコーヒー 向こうの席は
恋人同士が 語り合う
さめたコーヒー 苦いはずです
きまずい思いじゃ 苦いはずです
あなたこっちを振り向いて
ちょっと八重歯をのぞかせて

くもり空です くもり顔です
手もふりきったら 御機嫌ななめ
僕の後ろを トボトボついて
もうすぐ涙 くもりのち雨
あなたこっちを振り向いて
ちょっと八重歯をのぞかせて


21.弥生つめたい風

作詞:天野滋
作曲:天野滋

桜ふぶき舞い落ちる 古い並木のすみっこで
待っている君のこと 知っていたけど
帰る時は 口づけそっとしてねといった君を
おかしいよと おかしいよと笑った僕でした
弥生の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで

こんなに早く散る花を 前に一度おぼえてる
君と僕が 別れた年のこと
花びら髪にかざして だまったままで君は
くしゃくしゃに くしゃくしゃに 顔をゆがめたね
卯月の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで

さようならっていったのは 君の方だったし
後ろ姿に手をふったのは 僕だったし
桜ふぶき舞い落ちる 長い並木を最後まで
とても小さく とても小さく 点になるまで
五月の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで
五月の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで


22.八十八夜

作詞:天野滋
作曲:天野滋

ひきだしの中からあの人の写真
みんな棄ててしまったはずなのに
それはもう黄ばんでしまっていて
泣き顔か笑い顔かわからない
あの人の思い出にピリオドを打って
明日 嫁ぎます
もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくなる
もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる

こんな夜にあの人の電話
遠くでなつかしさが話し掛ける
本当はあの人に手を引かれ
いっしょの人生を歩きたかった
昨日までのあの人を忘れられないのは
私の弱さでしょう
もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくなる
もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる

写真が黄ばむように あの人との事も
色あせてゆくかしら
もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくなる
もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる


23.ゆうやけ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

やんちゃぼうずが走ってく
このかいわいに夕陽がおちる
赤んぼだいた婦人がせわしなく
せんたくものをとりこんで
子供は好きよといったきみの
やさしさがゆれています
あゝ ひさしぶりの夕やけがきれいです

きみはボクのものだよと
小さい電球だけにして
きめられた日課みたいに
口づけするとまた泣いた
へやはせまくてくらしにくいけど
お金をいっぱいためましょうネ
あゝ ボクがかんだうでのきずあといたくなれ

さびしそうねとボクにいったあとの
きみのほうがさびしそうです
あゝ ほんとにひさしぶりの夕やけが赤赤と


24.チケット握り締めて

作詞:天野滋
作曲:天野滋

明日のチケット 押えたし
いつも いつも いつもどおりさ
要る物これでみんな
鞄に納めた
電話掛けて 誘うから
君と 君と 君と二人で
行先不明になって
気ままに過ごそう

そこは誰も 僕を知らない
もちろん君を 知る人もいない
君を路上で 抱きしめた時に
景色の中に 溶け込むさ

道が分れ 右左
いつも いつも いつも同じさ
足跡少いほうを
選ぶとしようか
都会の静か 森の静か
どこか どこか どこか違うよ
生まれてから今まで
気付かないでいた

束縛されない時間を食べて
時計の針を忘れてしまおう
街の人とバスに乗り込み
本当の風を感じるさ


25.雨は似合わない

作詞:天野滋
作曲:天野滋

頭の中をぐるぐると いろんなことがかけまわる
小さい時しかられたこと 仲間はずれにされたこと
そんなことまで思い出し フフンとにやけてみせる
鏡の中の自分にネ 涙がこぼれているのに
冬だから 雨は似合わない
冬だから 君を思い出す

一つのマフラー二人でしてネ 君のポケットで僕の手を
暖めてくれた君に お礼のひとことを今
水たまりをはねかえし 白いソックスは泥だらけ
君がころべばいいなとネ 僕は冗談に言ったっけ
冬だから 雨は似合わない
冬だから 白と黒の街

たとえばタバコを吸ってみる 一人で映画を見たくなる
君は淋しくないのかい 僕は死んでしまいそう
おでことおでこくっつけて また話がしたい
それからそっとキスをする それから長いキスをする
冬だから 雨は似合わない
冬だから さよなら思い出す
冬だから 寒いのはしょうがない
冬だから 君を思い出す
冬だから 雨は似合わない
冬だから 君はもういない


26.面影橋


27.Rain


28.あせ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

全く人気のない道に しらけた太陽が照って
ほこりっぽい石ころだらけ 風もない雨もない
何かいいこと捜して ひたいにしわよせて歩いて
こんな道 一本道を気のむくままに フラフラと
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗を流し
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗をぬぐう
せっかく生きているのに 何にも出来ないなんて
石ころをけとばして 空にぶつけてみようか
みっともないこんな姿を 誰にもみせたくないから
道に沿って 遠くどこかへ 行ってしまいたいのさ

この世で一番大事なものは 一体何だろう
金でもない勉強でもない まして女じゃないさ
もちろんそれだって 少しは大切だけど
もっと大事なことが 絶対あるはずさ
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗を流し
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗をぬぐう

そりゃ誰だって つらいことはたくさんあるけれど
この世に生まれた以上は 生きてゆかなくちゃ
生意気だけど 精一杯生きてゆくのさ
そうすれば きっと何かがあるはずさ
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗を流し
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗をぬぐう


29.避暑地にて


30.赤い糸の伝説

作詞:天野滋
作曲:天野滋

人は生まれながら 赤い糸で結ばれている
そしていつかは その糸をたどって めぐり会う
しかし その糸は 細くて 弱い

あなたと僕の 小指の糸が
ほどけない様に 結びましょ
明日の朝は 汽車に乗るあなた
別れに涙は つきものと
いやなんだ いやなんだ
やさしいあなたを ひたすら待ち
年をとる悲しい僕に なりそうな気がして
誰にも見えない 赤い糸が
二人をつなぐという

キャラメルほおばり ほほふくらませ
あなたと並んで 歩きましょ
あなたの口びる ひとさし指で
そっとふれても いいですか
だめなんだ だめなんだ
じょうだんも言えずに くだをまく
あなたが女じゃなかったら なぐってやるのに
遠く離れてしまえば 愛も
消えてしまうという

こわいんだ こわいんだ
あなたの写真を みながら
あなたが思い出になってゆく そんな気がして
つながっているだろうか


31.さようなら

作詞:天野滋
作曲:天野滋

やけに真白な雪がふわふわ
真っ裸の木をこごえさせ
蝉の子どもは土の下
あったかいんだね ぐっすり眠る
昨日までそうだったように
明日もこのままでいたかった
楽しかったわだなんて
それが最後の言葉かい
ひとの言葉は悪いいたずら
愛は心にかいた落書きさ
いつまでも心にへばりついて
ぼくの心を悲しくさせる
さようなら さようなら……
去年の冬はふたり仲よく
こたつでまるまっていたんじゃないか
君はみかんをむいてくれたし
ありがとうってぼくは笑ったはずさ
ほくには君が大切なのに
君だっておんなじはずさ
あれは嘘っぱちだったんだね
もういいよさようなら さようなら
さようなら……